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2017/05/30
進藤病院ブログ
第一回目のブログを担当します理事長の進藤です。
今回は注意が必要な、疲労骨折について紹介します。
疲労骨折とは軽微なストレスが骨の一点に集中し、
繰り返すことにより発症します。
問題は早期にレントゲンを撮っても所見がなく見逃され
3~4週間後にやっと診断されることがある事です。
早期のMRI検査が必要です。
症例は左足背に運動時痛が出現し4日後に受診した13歳のサッカー選手O君。
初診時のレントゲン(写真1)は異常を認めなかったが、
限局した圧痛があり翌日にMRIを撮像(写真2)。
予想通り、第3中手骨に信号変化を認め疲労骨折と診断。
この時点よりサッカー中止とし当院リハビリにて骨折治療促進の超音波治療、
さらに上肢と体幹の筋トレ、アスレチックリハビリを開始した。
3週後のレントゲン(写真3)で骨折部に所見が出現。
6週よりボールタッチ(写真4)と反重力トレッドミルでのジョギング(写真5)。
9週でサッカー復帰となり、かなり早く復帰できました。
O君にはぜひプロを目指して頑張っていただきたいですし、
理学療法士とアスレチックトレーナーの努力に感謝します。
私は疲労骨折の診断と治療が遅れたために手術(複数回)になり、
復帰まで約2年を費やしたJリーガーを診察したことがあります。
いまだに彼らは医師に対する不信感が残っていて、
私は常に疲労骨折の可能性を考えて診察にあたるようにしております。
(画像の掲載に際し、本人とご家族からの承諾を得ております)