医療法人社団 shindo 整形外科 進藤病院

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6月20日から24日までフィンランドのヘルシンキで開催された11th Congress of European Academy of Neurology(第11回欧州神経学会集会)へ出席してきました。

当院は名前の通りに整形外科病院ですが、パーキンソン病のような神経疾患でも最初は歩きにくさなどが目立ち整形外科を受診される患者さんがいます。神経疾患を発症する年齢は比較的高齢であることが多く、既に他の病気などで整形外科へ通院されていることもあります。また、初期には症状が軽く神経内科専門医でないと徴候が判断しにくいことも多いです。そこで整形外科病院で神経内科が関わるような神経疾患がどれくらいあったのかをまとめて報告してきました。神経難病と言われるような病気も今後は有効な治療法が開発されることが期待されていますので、あまり注目されていなかった部分ですが大切な視点と考えています。

European Academy of Neurology(EANと略されています)はヨーロッパ各国の神経学会が集まっている学会で神経内科(または脳神経内科)の学会としてはかなり大規模なものになっており、私のようなヨーロッパ域外からの参加者も多いです。発表も国際共同研究や企業主導の国際治験の報告も多く、今後の神経内科治療の方向が見えるような興味深いものもあります。一方でアフリカや中東地域での日本ではみられないような感染症やそれに伴う神経疾患の報告もあり、教科書でしか知らない疾患を実体験とはいきませんが、より実感を持つことができます。今年はアルツハイマー型認知症の抗体薬だけではなく、パーキンソン病に対する抗体薬の治験の報告もありました。実際に使用できるまではまだ時間がかかると思いますが、パーキンソン病などの神経疾患も根本的な治療が可能となる時代がやってくることを期待しています。

今年は北半球では6月21日が夏至でした。ヘルシンキは日本よりも緯度が高く、白夜ではありませんが、4時前から23時過ぎまで外が明るく、時差ぼけともまた違う体内時計がおかしくなった感じがありました。ただ、天気が良くなかったこともあり最高気温が16度前後と旭川よりもかなり寒く、念のためと思って持参した上着が思いのほか活躍しました。また、フィンランドは6月20から22日までが夏至祭でかなりのお店や施設がお休みのようで何となく閑散とした印象でした。夏至祭でのイベントもあるようですが、夏至の時期にヘルシンキを訪問される方は予め計画を立てると良いと思います。私は学会場で過ごしていたので、残念ながら夏至祭を感じることはできませんでした。最終日は飛行機の出発が夕方だったので、Fazer caféのゲイシャケーキと空港近くの航空博物館でフィンランドの雰囲気を堪能できました。

EAN会場入口、ロゴ前で