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今回は、4月から着任している柳澤先生についてお話しします。
柳澤 聖(37歳) 北海道と東川町をこよなく愛する東海大出身の先生です。
東川町の何にほれ込んでいるのかも深掘りしたいところですが、今回は本業の整形外科医師としてのご紹介をさせて頂こうと思います。
柳澤先生は、手の怪我から足の骨折まで何でもこなすオールラウンダーですが、腰の圧迫骨折の治療を積極的に行っています。そこで今回は柳澤先生が行っているBKP(経皮的椎体形成術)の手術についてご紹介します。
人間は年齢を重ねていくと骨がもろくなります。骨粗鬆症になると、転倒や打撲で骨が折れることがあります。特に高齢者が折れやすいのは太ももの付け根、背骨、手首の骨です。この中で背骨の骨折の治療法がBKP(経皮的椎体形成術)で腰の圧迫骨折の治療法です。
背骨の骨折について
背骨の骨折は、尻餅をついての転倒が原因で起こることが多いですが、中には何もしなくても背骨の骨が潰れてしまうこともあります。骨が潰れると、はじめは激しい痛みを伴います。ベッドで安静にすることやコルセットで固定をして一定期間たつと骨が固まりはじめ、徐々に痛みが消えていきます。しかし、なかには骨がグラグラして中々固まらず強い痛みが続く人もいます。
BKPは、受傷して間もない骨折してグラグラ状態になっている背骨を固めて痛みを止める手術です。
全身麻酔で、手術は20~30分で終了し、ほとんど出血もありません。
下のイラストでご覧ください
BKPのメリット
・手術が短時間で済み侵襲が少ない
・骨を固めることですぐに痛みが和らぐ
(全く痛みがなくなる方もいる)
・翌日から起きて歩くことが可能
BKPのデメリット
・骨セメントが血液内に流れて肺塞栓症を起こす危険がある
・手術した骨の上か下で新たに骨折が生じることがある(手術した骨はしっかり固まっているため上下の骨が折れやすい)
気になる入院期間や費用は?
入院期間の目安、および1割負担の方、3割負担の方の自己負担金額は以下のとおりです。
※ 椎体数に応じて金額の変化あり
手術内容 | 入院期間 | 自己負担額(1割負担) | 自己負担額(3割負担) |
BKP(経皮的推体形成術) ※1つの骨あたりの概算 |
7日程度 | 下記は高額療養制度を利用した場合の金額 | |
3.5万円
(食事代含む) |
7.5万円
(食事代含む) |
費用は高額療養費の対象
健康保険や国民健康保険加入者が、同じ月内に同じ医療機関に支払う医療費の自己負担額(食事の費用・自費分は除く)が高額になった場合は、限度額の認定証の交付を受け、入院事務担当者にご提示いただくと、病院窓口での自己負担額が限度額までの金額となります。
最後に
腰の圧迫骨折だと手術をせずにコルセットで治療を行うと1~2か月痛みが続きます。高齢の方だと少しずつ背中も丸く腰が曲がっていきます。BKP治療は1日でも早い社会復帰を目指すことの出来る治療です。当院でも4月は10人、5月は11人の方が手術を受けられています。ぜひ、こちらの治療法もご検討ください。