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すっかり秋も深まり、大雪山連峰では初雪の便りも聞かれるようになりました。
訪問看護では、毎日利用者様のお宅を訪問しますが、ストーブを点けている方も多くなってきました。
日中と朝晩の寒暖の差も大きくなっており、風邪などを引きやすくなる時期ですね。体調管理に十分気をつけて生活したいものです。
9月上旬より約2週間、当事業所に市内の看護学校の3年生2人が訪問看護の実習に来ていました。
自分が学生だった約25年以上前には在宅の実習はありませんでした。
病棟の実習と比べると訪問は利用者さんと関わる時間がかなり限られているため、学生さんたちはどのように担当の利用者さんとの関係を築き、どんな実習を展開するのかなと、個人的には興味深々でした。
終わってみると・・・本当に2人とも頑張っていました。
資料の数もとても多く、とにかくどこからどれだけこんなに情報を集めているんだろうというような内容で、情報の分析も細かく、今の時代なら私は看護師はおろか、学生にもなれません。2人ともきちんと何が必要かを考え、看護計画を立てて実施できていました。
2人のうちの1人の学生、Hさん。
私が訪問している利用者のAさんを担当していました。
Aさんは夫に先立たれ、子どもはおらず、現在独居の80代の女性です。アルツハイマー型認知症があり、
自分の身の回りの事はできますが、記憶障害が強く、ガスの消し忘れ、会話した5分後には内容を忘れてしまう、忘れないようにメモをするのに、そのメモを何処に貼りつけたのかわからず、家の中は貼りつけたメモだらけという方でした。薬も3種類内服していますが、飲み忘れも多く内服確認のために訪問看護が入っていました。
そんな中、Hさんが看護師と初回訪問。Aさんはまだ20歳そこそこの曾孫の様な笑顔のかわいいハキハキとしたHさんのことをとても気に入ってくれました。Aさんには、1年半近く訪問している私の名前は未だに憶えて頂けておりませんが、Hさんは自己紹介の時に名前は昭和の大スターと同じと強調し、そのことが印象に残ったのか、名前だけではなく顔も憶えてくれ、訪問するといつもニコニコと迎えてくれました。
1週目の訪問時の情報を元に、2週目の訪問で、HさんはAさんの為にステキな内服ケースを作ってきてくれました。Aさんは花が好きで1年中家のあちこちに庭の花を飾っているような方であることに着眼したようで、3色の造花をあしらった可愛いケースでした。(3時間もかけて作ってくれたそうです)
Aさんも「あらー!!」と大喜び。早速、そちらのケースを導入した方法に変更し、現在も継続し使ってもらっています。
Aさんにとっては、学生さんが来たことや内服ケースを作ってくれたことが良い刺激になったようです。
自宅で過ごす利用者さんの生活に、ちょっとした刺激と潤いをくれた学生さんたちに、私も自分の辛くも懐かしい学生時代の思い出と、新鮮な気持ちをもらった2週間でした。
訪問看護ステーション翼 千葉